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注: ここに書いてあるのは私の我流なので、実際にはもっと効率の良い方法があると思います。 また薬品によっても手順が異なりますので、必ず使用する薬品類の説明書に従って下さい。

前置き。 時が経って...:

前回の記事から大分時間も経ち、既にタナカ・ワークスからは製品版も出ているから今更コレを記事にしてもなぁ。 よし、このまま「無かった事」にして闇に葬ろう... などとバックレを決め込んでいたら

とAAで催促食らってしまいました。 うーむ、ならば仕方が無い。 いまさらの気もしますが、やり掛けを途中で放り投げるのも良くないので最後まで纏めましょう。

 

キャスティング編:

多少のトラブルがあったものの、無事に型も出来上がりました。 次はキャスティングで成型に次いで重要な作業、レジンの注入口(湯口)とエア抜き孔の追加です。 湯口が無ければレジンを流し込めませんし、また必要十分なエア抜き孔が無ければ型の細部までレジンが行き渡りませんからね。


湯口とエア抜き孔(裏側より)

ただ今回使ったような模型用レジンの流動性は左程悪くないので、実際には湯口よりもエア抜き孔の位置や数に気を使います。 こればかりは成型品の大きさや形状に大きく依存しますので、ある程度出来た時点で 「試し射ち」 → 「エア抜き孔の追加」 を繰り返す事になります。

   
上記写真中、少し大きめの穴が湯口、その他の小さな穴が空気孔です

 

離型剤:

湯口とエア抜き孔の追加が終わったらいよいよレジン投入ですが、その前に型に満遍なく離型材(スプレー式)を吹き付けます。 通の人に言わせると離型材は造形のディテールを損なうので使わない方が望ましい※注1らしいですが、今回の題材はそこまでは細かなディテールを持っている訳でもないので普通に離型材を使います。 型のAB面を密着させる(=レジンの漏れ防止)接着剤の役目もありますしね。

※注1、離型剤を使わない場合、型の寿命は極端に短くなるそうです。


左手奥にある缶が離型剤スプレーです

はっきり言って特に注意する事はありません。 強いて挙げるとすればバレルを貫通仕様にする為に入れ込む直径1/2インチの棒。 これにはくどい位離型材を吹き付けます。 でないとレジンの硬化後に抜けなくなって泣きを見ますから。 ←実際に泣きを見ました...


当初は木の棒でしたが、癒着等、余りにも使い勝手が悪いのでアルミ製に変更

 

混合比は正確に:

2液硬化型レジン(硬質ウレタン樹脂)なので混合比をきっちりと守らないと絶対に固まりません。 しかもただ固まらないだけでなく、ネバネバした粘着質の液体?となって型、その他にまとわり付きアセトンで洗うまで絶対に落ちなくなります。 そうなるとマジで洒落にならないのできっちりと計量カップで計りましょう。


きっかり同量

また、2液の混合・攪拌用に第3のカップを用意しておくと量産性が向上します。

   
混合・攪拌用カップに注いで手早く割り箸でかき混ぜます

で、液が均一に混ざったら躊躇無く型に流し込みます。 ここから先は時間との勝負なので迷ったら負けです。

   
手早く注ぐ その1 / 手早く注ぐ その2

ゆっくり焦らず、それでいて手際よく素早く注ぎ込みます。 本体以外にも幾つか型が存在する場合、レジンの硬化が始まる前に一気に纏めて流し込むか、もしくは各型ごと分けて混合→注入するかします。

今回の様に比較的大型のブツの場合、湯口から最も遠いエア抜き孔までレジンが回ってる事が確認出来れば注入完了です。

   
エア抜き孔から「じわ〜っ」と染み出て来ます

そこまで来たら後はレジンの硬化を待ちます。 2液の混合後、3分程で硬化が始まり5分後には結構な粘度に、そしておよそ10分で離型可能な位まで硬化します。


注入後、待つ事約10分

あめ色だったレジンが乳白色に変わっているのが分かるでしょうか? ちなみに上記の状態で型を割ると↓の様になります。


全体図

   
小部品拡大図

 

焦っちゃダメ、でも...:

レジンの説明書には、硬化後余り時間を置く事は型の寿命を縮める(=硬くなりすぎて離型の際に型を傷付ける)為、そこそこの時間での離型を推奨、とあります。 確かに一部の特殊なケースを除けば型の寿命は重要ですからね。 で今回の場合、それとは少し理由は異なるのですが、やっぱり早めに離型します。 その理由とは...

   
離型直後、まだ少し軟らかい / アルミ棒を優しく無理やり「引っこ抜く」

そうです、貫通バレルを作る為に仕込んだ1/2インチ径の棒です。 こいつが結構曲者で、幾ら離型材を大量に吹いても時間が経つとバレル部のレジンと癒着してしまうんです。 これにはマジで悩まされました。 最終的に棒の材質を木からアルミに変える事で大分緩和されましたが。

   
無事貫通の図

 

祭り終わって...:

   
左: 離型直後(バリ、ひげ有り) / 右: 「バリ、ひげ」除去後

離型したての状態(混合後、約10分)ではまだレジンが完全硬化には至っていないので、外力の影響を受けないように気を使います。 離型後最低30分は安静にしましょう。 完成の感動は分かりますが、間違っても振り回さないように。 ←やって一個駄目にしました(-_-;

また湯口やエア抜き孔の「ひげ」はレジンが完全硬化する前にニッパー等で切り落とした方が作業効率が良いですが、その際には折角の本体を変形させないよう十二分な注意が必要です。

最後に複製表面に残っている離型剤を洗浄すれば全作業工程終了です。 型を作る工程に比べれば失敗がある程度許される(=また射てば良い)為に幾分気が楽ですし、実際に原寸大の複製品を手に出来る分、遣り甲斐も大きいです。

 

ガレージキットと聞くと一見難しそうな印象がありますが、要は楽しみながら失敗を繰り返し何かを形にしていく。 基本的に「物作り(造り)」が好きな人だったら嵌る事請け合いですので、是非一度お試し下さい。

 

--- 取り敢えず「完」 ---

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