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注: ここに書いてあるのは私の我流なので、実際にはもっと効率の良い方法があると思います。 また薬品によっても手順が異なりますので、必ず使用する薬品類の説明書に従って下さい。

話の発端:

S&W M500 Magnumが発表されてから既に一年以上経つけど、未だにそのトイガン(ガスガン、モデルガン)が出ていないのはどういう事だろう? 44マグナムやデザートイーグル50等の大口径トイガンが売れている国なんだから、出せばそこそこ売れると思うのになぁ...

金型が完全新規になるから採算が取れないと踏んでいるのかな。 確かに3種類のバリエーション(8-3/8"標準モデル、10-1/2" PC Hunterモデル、新型 4"モデル)しかないM500、金型の償却は難しいかも知れないけれど、それでもやっぱり作って欲しいなぁ、S&Wファンとしては...

 

無い物は:

欲しいものが存在しない場合、解決策は二つあります。 「誰かに作らせる(金持ち限定)」 か「自分で作る(その他の人々)」です。 残念ながら私は前者では無い様なので自分で作る事にしましょう。

必要な材料:
 ・ 元になるの銃(この場合 S&W M500) --- 約$1000 (手持ち有り)
 ・ 型採り用のシリコン剤一式 --- 約$300 (ブツが大きく二缶使用)
 ・ 型枠、粘土、その他小物 --- 約$50
 ・ 硬質ウレタン樹脂と顔料 --- 約$100


材料達

どれも比較的入手が楽で費用も左程では無いので、気軽に出来る範囲と言って良いでしょう。

 

まずはA面:

最初に元になる銃を大まかに分解し、型抜き時のパーティングラインを考慮しながら適当にマスキングします。 次に想定パーティングラインに沿って粘土を盛って行き、ある程度出来たら土台の上に固定します。 土台の上から更に粘土を盛って行き、適当なところで型枠を立てて全周を囲います。 そこまで出来たら後はシリコンの「漏れ」を防ぐ為にコーナーに粘土を盛って、位置合わせ用にダボ穴を開けてA面型採り準備完了となります。

   
左: 粘土を盛るの図 / 右: 型枠完成の図

シリコン母剤と硬化剤を規定の量(目分量は駄目)測って混ぜ合わせ、色が均一になるまでひたすら混ぜます。 混ぜると言うより「こねる」に近いかも。 結構粘性が高く握力勝負な一面ですが、ここで手を抜くと後程泣きを見ます。 無事均一に混ざったら後は型枠にそっと流し込んで6〜24時間寝かせるだけです。 本当は流し込む前にエア抜きするんですが、設備が無いのと面倒なので今回は(いつも、と言う話も...)割愛しました。

   
左: 「こねる」の図 / 右: 「流し込む」の図

シリコン剤の説明書きによれば30分で反応開始、6〜12時間(混合割合、周辺環境、他による)で離型可能、更にその後24時間寝かせると良いらしいです。

出来上がりは以下の様で美味しそう良い感じ。 ここまでは何も難しくありませんし余程じゃない限り失敗する事は無いでしょう。


「寝かせる」の図

 

B面の製作:

A面がしっかり硬化・完成したら次はそれをベースにB面を製作します。 銃をA面にしっかりと密着させ、今度は型枠を先に組んで行きます。 型枠が出来たらシリコンが漏れない様に枠の外側をテープと粘土でしっかりとシールします。 ここで手を抜くとシリコン注入後に重さで枠が決壊したりシリコンが漏れたりで泣きを見ますので慎重に。 特に変わった事ではないので写真は割愛。

次にA面とB面を確実に分ける為に離型剤を大量に吹き付けます。 それこそもうババァの厚化粧親の敵と言う位に厚く。 本当は離型剤と併せてフィルムを貼ると確実で良いんですが、その為にはA面をもっと丁寧に平らに仕上げないといけないので私はいつも離型剤のみに頼っています。

ここまで出来たら後は成功する事を祈りつつシリコンを流し込むだけです。 ちなみにシリコンの硬化時間は結構長いので、待ち時間に他の子部品製作をすると時間の有効活用になります。 私はフレームA面 → シリンダー&ヨークのA面 → 全てのB面の順でやったのでそれほど効率は良くありませんでした。

   
子部品A面製作中

 

失敗例など:

これまでに私が経験した主な失敗例としては

  「A面と対象物の密着性が悪く、B面用シリコンが流れ込んでしまう」 や
  「離型剤の量(皮膜の厚さ)が足りず、A面とB面が癒着してしまう」

等があります。 初期の頃はそれこそ「硬化剤の量が足りずにシリコンが何時まで経っても固まらない」と言った悲劇を引き起こした事もありましたが、混合時にどんぶり勘定を止めたらしっかりと固まるようになりました。 ←当たり前だって...

AB面の癒着に関しては最悪カッターで切れば良いので被害は少ない(パーティングラインの変更、ダボ穴の追加)ですが、密着不足によるA面へのシリコンの流れ込みは被害甚大で、最悪A面の作り直しが必要となります。 実は今回、グリップ周りでこれが発生してしまい、被害の出たA面(グリップ周り)を別型で作り直す羽目になってしまいました。 しくしく(;_;)

何はともあれ、無事に修正・型採りも終了しました。 あとはキャスティングです。

   
無事完成の図

 

--- 続く ---

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